EdgeTech+ 2026

11月20日(金)
16:05
~16:45
オートモーティブソフトウェアエキスポ スポンサーセミナー Room M

データ駆動型AIで設計空間を描く。開発初期から要件を満たす道筋が見通せ、開発根拠も説明可能に。

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エンジニアリングの現場では、製品の性能を決める設計値や制御パラメータを探すために、多くの時間とコストがかかります。シミュレーションを何度も回し、実機で計測を重ね、それでも「この値で本当によいのか」「なぜこの設計に決めたのか」を明確に説明しきれないことは少なくありません。

本講演では、英国発のエンジニアリングAI企業Secondmindが開発した、データ駆動型AIのアプローチを紹介します。Secondmindの技術の中核は、ベイズ最適化やガウス過程などの機械学習の手法です。ガウス過程の回帰モデルは、各点の予測値とあわせて「どれくらい予測を信頼してよいか」という不確かさを示します。ベイズ最適化は、その不確かさをもとに次に測るべき点を選びます。これにより、少ない実験やシミュレーションの回数で、目的の性能を満たす領域を効率よく絞り込みます。

講演では、この仕組みを二つの製品領域に分けて紹介します。一つ目は、システムの構想設計を支援するSecondmind for DSE(Design Space Exploration)です。開発の初期段階で、複数の要件を同時に満たす設計空間を可視化し、どのパラメータがどの性能にどれだけ効いているかをデータで示します。要件を動かしたときに、その影響がすぐに見えるため、新たなシミュレーションを追加する前に設計方針を検討できます。

二つ目は、システムの適合を支援するSecondmind for Calibrationです。制御マップや調整テーブルを決める作業において、試行回数を大幅に抑えながら最適な値を見つけます。Secondmindの実績では、実験回数を最大80%削減した例もあります。

本製品の特長は、「AIが答えを出す」だけで終わらせないことです。各設計点の不確かさを可視化することで、「どこまでデータで確かめられているのか」「どこにまだリスクが残っているのか」が一目で分かります。経験の浅いエンジニアが担当した場合でも、どの制約条件を考慮し、どのような最適化を行ったのかを説明しやすくなります。安全性や規制対応が求められる分野で、設計判断の根拠を示す手段としても役立ちます。

また、Secondmindの研究チームは、機械学習の研究成果を実際のエンジニアリング課題に応用してきました。ベイズ最適に関する論文はNeurIPSやUAIなどの国際会議でも発表されており、その研究基盤が製品の信頼性を支えています。

プロフィール

井上友宏

井上友宏

Secondmind 代表取締役